先の視界がかなり霞んできている。
この雨や湿気の影響だと思うが、それプラス、強風で海の波しぶきが相当漂っているようだ。
それに、そろそろ見えてきてもいいだろう利尻富士が一向に姿を現さない。
まあだいたい感じてはいたけど、今日はこのどんよりした低い雲に隠れて利尻富士を見ることはできないだろう。
そこで予定を変更して内陸に入ることにする。
このまま北上を続けても楽しくないだろうし、波しぶきでバイクにもよくないと思うし…
サロベツ原野を横断して豊富に向かう。
実はこの時が一番、旅をしてるなという実感が強かったのである。
やっぱり旅の楽しさって、その時の天候や気分で行き先を決めたり変更していくところにあるのかな…
降ると言ってた雨はたいしたことないし、気温も今までで一番高く快適。
その上で、原野以外何もないこのすばらしい景色の中を走ることができるなんて…
何もないのを表現するのって難しいな。
豊富の街に入り交差点で止まろうとしてる時、突然横の方から人が出てきた。
その人はライダーらしかった。ヘルメットを被っていたから…
更に減速して近づいていくと、それは少し年配の男性ライダーで、僕に何かを訴えかけている。
停止してよく聞いてみると、何でも、その交差点の角にある建物が地図にカツ丼がおいしい店として載ってる食堂らしく、今日はせっかくそれを食べにここまではるばる来たのに日曜で店がしまってるではないか!?…というようなことを必死に訴えかけているのであった。
もう信号も変わりそうだったし、僕は「お気の毒様です」と心の中でつぶやきながら、ただヘルメットを上下にゆすりうなずくことしかできなかったのだ。
ちょうどお昼時だったので、自分もどこかで食事をすることにした。
その交差点を曲がって少し行ったところにセイコマートがあったので、そこで済ますことにした。
さっきの一件で、もうかつ丼以外考えられなくなっていたのだ。
食事の後は道道84号で一気に浜頓別のクッチャロ湖畔キャンプ場を目指す。
前に一度、その時もこんな風の強い日だったが、あまりの強風でこのキャンプ場でテントが張れない時があった。
ちょっと心配だったので、早めにキャンプ場を目指すことにする。
道道84号はなかなかいい道だ。
恐ろしく交通量が少なく、自分のペースでのんびり走れるのが最高だ。
最初のほうこそ少し路面の悪い所もあるけど、途中からはそれも良くなり快適に走れる。
それでいて、道脇の緑の中からいつクマが飛び出してきてもおかしくない雰囲気も充分あって、北海道らしさを味わえるんじゃないかな?
キャンプ場に近づくにつれ青空の範囲が広くなっていった。
(かなり早めに買い出しと温泉を済ませる…あとは飲むだけか?)
相変わらずかなりの風だが、キャンプはなんとかできそうで一安心だ。
まともに外に居ると相当辛いが、テントの入り口を風下に向けてるので、テント前は風が当たらずくつろげるのである。
(夕飯を済ませると風が止んだ)
(夕焼けにならなかったけど、それでも雰囲気はいいよね~?)
止んでた風は夜中にまた吹き始めた。
【2018/8/20(月)】
早朝は靄っぽかったけど、みるみる天気になってきた。
今回一番の天気である。
それにしても、夕べも雰囲気はバッチリ!
それ程混んでなかったっていうのもあるけど、やっぱり来てよかった…
今シーズン中にもう一度くらいは来たいな…
今日は帰るだけ。
少々距離があるので自分としては珍しく午前7時半にはキャンプ場を出た。
写真を撮っててけっこう暑いなと思ってたんだけど、後でこの日のオホーツク地方は気温が軒並み30度以上あったことを知った。
それにしても、帰る日が一番天気がいいなんて、帰りたくなくなっちゃうよぉ~
(こんなきれいな屈斜路湖は初めて)
屈斜路湖まで戻って来れば、家まではもう1時間半の距離だ。
それにしてもこの日の屈斜路湖は最高にきれいだった。
たぶん、今まで見た中で一番…
今日、見れた人はラッキーだね。
その時の空気なのか、光なのか…
自然というのは刻々と表情を変え、そして、行くたびに違う姿を見せてくれるのだ。
なんか、やっぱり道東っていいな…
そして、僕は帰路についたのである。
【後記】
今年の北海道は天気が悪いです。
6月中旬くらいから既にけっこうなライダーが来てましたが、その頃は雨しか走ってないという方も多いのではないでしょうか?
そんな天気の傾向をずっと引きずってるみたいですね。
たった3泊というツーリングでしたが、最近は2泊以上してなかったですし、そんなに走る必要もないんじゃないかと思ってたのですが、なんかやっぱりたくさん泊まるのもいいですね?
行きたかったキャンプ場もありますし、9月いっぱいはバイクでのキャンプツーリングを楽しめますので、また計画してどこかへ行きたいと思います。
総走行距離:不明